2015年夏アニメとして放送された「がっこうぐらし!」。その可愛らしいキャラクターとは裏腹の殺伐とし…
2016年秋アニメも始まり、気になるタイトルロゴを調べる時期となりました。今期で揃ったアニメタイトルロゴの中で気になったのが和風タイトルロゴが印象的な「刀剣乱舞花丸」・・・・いったい何者なんだ!
OPのディレクションに梅津泰臣氏を起用し、神風動画のセンスが炸裂した毎回変わる和風デザインのEDがとても気合入っています。
女性向けの作品は細かいところで気合いを入れてくるのでいいですよね。
しかしそれならロゴは・・・ロゴはどうなってるんだ!?と気になってしまうのがフォントヲタクの性・・・
この筆字風のゆるゆる感がいいですよね。子どもや女性向けはもちろん、昔ながらの情緒を感じさせる和のデザインとも相性抜群です。
「刀剣乱舞」のタイトルロゴを見て、フォントに詳しい人ならパッと見てピンときたのではないでしょうか?
特徴のある丸いデティールのモリサワの「すずむし」はコミックのタイトルロゴでも頻繁に使われてるスタンダードなデザインフォントです。
すずむしは、「はらい」や「点」など墨溜まりの部分がぷっくりと丸くなっているのが特徴の可愛らしいフォントです。
似た雰囲気のフォントに、「TA-笑点丸」などがあります。
「刀剣乱舞」の「刀」の部分に見られる白い筋と二つの黒い筋。すずむしにはない特徴ですよね。
この黒い筋部分は通称「ひげ」と呼ばれており、筆の墨の名残を表現しています。また白い筋は、極太の筆で勢いよく描いた時のかすれを表現しています。
ひょっとしたらこういった特徴の文字を縁日やお祭りなどで見かけているのではないでしょうか。
すずむしを出しているモリサワにはもちろんこういった毛質フォントもあります → 「ひげ文字」
印鑑も最近はいろいろな書体が選べますよね。
改めて「花丸」部分を見てみましょう。
「花」の草冠の丸が特徴的です。人によっては「花」の字がカエルの形に見えるとか…見えますね。
「花丸」の部分は印相体に近い形ですが、印相体自体を使っているわけではなさそうです。
こういったロゴは太さが均一で加工しやすいゴシック体などをベースに、線をいじって作られるケースがありますが、今回の「花丸」の部分は、曲がりくねったり線が引き伸ばされたりと、かなりいじられてる様子です。ベースフォントから加工するより手書きで初めから作ったほうが早いように感じますので、恐らくデザイナーさんが手書きでデザインを起こしているのでしょう。
2016年の秋アニメに「刀剣乱舞-花丸-」。来年にはufotable制作の別アニメも控えております。こちらは花丸とは打って変わって刀の鋭さが強調されたタイトルロゴ。デザインはBALCOLONY.です。
BALCOLONY.はアンソロジーでも装丁デザインを手がけておりましたね。
「刀剣乱舞-ONLINE- アンソロジー 〜初陣〜」 CL: 株式会社KADOKAWA 原案=「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMMゲームズ/Nitroplus) pic.twitter.com/Gbsd5hXxNZ
— BALCOLONY. (@BALCOLONY) 2015年6月1日
明朝体の「うろこ」や「つきだし」を排除したロゴには刃のような鋭さがあります。徐明や光明のようなシャープさを持ちながら、太めの線で構成されています。
しかし徐明や光明と重ねてもズレが生じます。文字を構成するパーツの間隔も違うようですので、もしかしたら土台のフォントを参考にイチからデザインを書き起こしているのかもしれません。
アニメの場合、タイトルロゴと統一をもたせるためにディザーサイトやPV映像で土台となったフォントが使われていることがよくあります。
ufotable版刀剣乱舞のディザーサイトの表記はモリサワの「徐明」が使われております。
しかし、先程触れたとおり徐明と違って幅も太くパーツの間隔も調整されているため、タイトルロゴの土台のフォントも徐明と言い切ることは出来ませんので、悪しからず。